まず結論:遅くなるのは「追加コスト」と「経路変更」が重なるためです

VPN接続でインターネットが遅く感じるのは、多くの場合、VPNが通信に“追加の処理”と“通り道の変更”を入れるからです。暗号化・復号のオーバーヘッド、VPNサーバーまでの往復遅延、回線混雑、さらにMTU(最大伝送単位)などの設定による非効率化が、速度低下として現れます。なお「必ず遅くなる」とは限らず、回線条件や使い方で差が出ます。

VPNの仕組みで起きる負荷:暗号化・復号とカプセル化

VPNは、端末とVPNサーバーの間で通信を暗号化し、その上でカプセル化して転送します。その結果、次のようなコストが発生します。

  • 暗号化(送信側)と復号(受信側)のためのCPU/処理負荷
  • VPN用のヘッダー追加により、実効データ量が減ったり、処理が増えること
  • 暗号化方式や実装によって、同じ回線でも体感や測定値が変わること

特に、端末の性能が低い場合や、同時に他の処理(ブラウザ更新、クラウド同期など)が走っている場合は、暗号化・復号の分が目立ちやすくなります。

経路が変わる影響:距離・混雑・待ち時間が増える

VPNは通常、直にインターネットへ出る代わりに、一度VPNサーバーを経由します。そのため、次の要因で往復遅延(レイテンシ)やスループットが悪化し得ます。

  • VPNサーバーまでの物理的・論理的な距離が伸びる
  • 通信経路上で混雑している区間を多く通る
  • 回線品質(遅延・ジッタ)が悪い区間が増える

遅延が大きいと、Web表示やページ遷移の待ち時間が増え、速度テストの結果が下振れしたりします。また、遅延だけでなく帯域が細い区間があると、転送が詰まりやすくなります。

「VPN 5」という表現の捉え方:実体は実装差が出ることもある

ここでの「VPN 5」が特定の規格名・製品名を指しているかどうかで、細部は変わります。一般に、VPNはプロトコルや暗号方式、実装(クライアント/サーバー側の処理)により性能特性が変動します。そのため「VPNの世代が上がれば常に速い/遅い」と一概には言えません。

速度低下の原因は“世代”というより、暗号化やカプセル化の方法、経路、混雑、端末性能、ネットワーク設定などの組み合わせで決まります。もし「VPN 5」があなたの環境で選べるモード名なら、設定画面上の説明(処理内容、通信方式の違い)も手掛かりになります。

速度低下の例外・境界条件:起きやすいケース

同じVPNでも、状況によって体感が変わります。

  • 低速回線や混雑時:VPN経由でボトルネックが移り、差が大きくなります
  • Wi-Fiが不安定:VPN自体より無線の再送で遅く見えることがあります
  • 端末の負荷:暗号化処理が詰まると急に遅くなることがあります
  • ネットワーク設定の不整合:MTUが合わずに断片化や再送が増えると非効率になります

逆に、元の回線が混んでいてVPN経由の方が経路が改善される場合は、体感が改善することもあります。