まず前提:何を「複数の場所から」成立させたいのか
「複数の場所からVPN接続をセットアップ」と言っても、目的は大きく2つに分かれます。1つは、各場所の端末(PCやスマホ)から同じVPNに入って社内ネットワークや必要な通信へ到達したいケースです。もう1つは、拠点どうしのネットワーク同士をつなぎ、拠点間で通信できる状態にしたいケースです。
ここを混同すると、必要な設定項目(認証、ルーティング、到達先)がズレて手戻りが増えます。そのため、最初に「接続したい相手は端末の利用先(サーバ/ネットワーク)か、拠点間の経路か」を決めてください。
基本モデル:接続先(サーバ側)と利用側(クライアント側)の整合
人気の特定サービスを使わない場合でも、VPNが成立する要素は共通です。大筋では「VPN接続先(サーバ/ゲートウェイ)」と「各場所の利用側(クライアント/ルータ)」が、同じVPNの方式・設定情報を共有する必要があります。
- 利用側では、VPNの接続先アドレス(サーバ側の指定)と、認証に必要な情報(ユーザー/証明書/事前共有キーなど)が必要です。
- サーバ側(またはゲートウェイ)では、どの端末・拠点を許可するか、そして到達させたい宛先の範囲(許可するネットワーク)が定義されます。
- 両者で、暗号化の方式やポリシーの考え方が噛み合う必要があります。
この「接続先」と「到達範囲」の整合が取れていれば、サービスの人気度に関係なく運用設計を組み立てられます。なお、利用できる方式や設定名は製品や実装で異なるため、ここでは概念として押さえてください。
必要になる要素:認証・鍵・ルーティング・DNS
複数の場所でVPNが動かないとき、原因は設定の細部にあります。特に次の4点が重要です。
- 認証(誰が入れるか) 各場所の端末が正しく認証される必要があります。
