定義:NATファイアウォールの考え方
NATファイアウォールという言い方は、NAT(アドレス変換)によって外部から内部端末を直接識別しにくくし、あわせて通信の成立状況を手がかりに制御する考え方を指します。ここで重要なのは、アドレスを置き換えるだけでなく、「どの内部端末とのやり取りの結果として戻ってきた通信なのか」を関連づけて扱う点です。
仕組み:変換と「状態」の結びつけ
NATでは、内部ネットワーク側の端末が送信した通信について、外部から見える形のアドレス(多くの場合はNAT装置側のグローバルIP)へ置き換えます。同時に、通信先やポート情報なども含めて対応関係を記録します。この対応関係はNATテーブルのような形で保持され、次の段階で効いてきます。
外部から内部へ向かう「戻り」の通信が来たとき、NAT装置は受け取った内容が、以前に内部側から開始された通信の“続き”に該当するかをテーブルで確認します。該当する場合は、置き換前の内部側の宛先へ戻せます。一方で、テーブル上で対応が見つからない通信は、内部への到達を成立させにくくなります。つまり、外部から内部へ向けた入口を自動的に絞り込む方向に働きます。
効き目の範囲と、変わる要因(例外)
NATファイアウォールの“効き目”は、暗黙の絞り込みにより外部からの無関係な到達が減ることにあります。ただし、次のような要因で効果が変わる可能性があります。
