まず結論:IPアドレス“だけ”では誰かを直ちに特定できない
警察がIPアドレスを追跡の手がかりとして扱うのは、IPアドレスが「どこから(またはどの接続経路から)通信が行われたか」を示し得るからです。ただし、IPアドレスは状況によって共有されたり変わったりするため、IPアドレス単体で個人を即座に確定できるとは限りません。
警察が使うことが多い考え方(一般的なモデル)
一般に、IPアドレスに関する調査は次のような“積み重ね”で進みます。
1つ目は、通信の痕跡が記録された「ログ」を探すことです。ログには、いつ・どのIPアドレスと通信したか、回線やアカウントに紐づく情報が含まれる場合があります。
2つ目は、そのIPアドレスが「どの通信事業者のどの顧客回線に対応していたか」を確認するための照会・手続きを行うことです。IPアドレスの割当や利用状況を把握しているのは、一般に回線を提供する側(通信事業者)に情報があるためです。
3つ目は、記録の時間関係を突き合わせることです。たとえば、対象の行為が行われた時刻と、その時刻にそのIPアドレスを利用していた接続の説明が整合する必要があります。
どこで難しくなる?例外や限界
IPアドレス追跡が難しくなる主なポイントは複数あります。
- IPアドレスが共有され得る:家庭用回線でも構成や仕組みによって、同じIPを複数の端末や利用者が使うように見えることがあります。 - IPアドレスが頻繁に変わり得る:接続の状態や契約形態によって、同じ人物でも別の時点では別のIPに見えることがあります。 - ログの有無や保持期間が影響する:記録が残っていない、十分な期間が確保されていない、粒度が足りないと、追跡の確度が落ちます。
