VLANの基本:何を「分ける」のか

VLAN(Virtual LAN)は、同じ物理スイッチや配線を使いながら、通信のまとまり(ブロードキャストドメイン)を論理的に分割する考え方です。通常、スイッチはフレームを受け取ると、そのフレームが所属するVLANに基づいて転送します。これにより、同じネットワーク空間に“別のグループ”が存在している状態を作れます。

構成要素:VLAN IDとスイッチの転送

VLANには識別用の番号(VLAN ID)があり、端末が接続されるポート(スイッチ上の接続口)に対してVLAN IDを割り当てます。結果として、同じスイッチ配下でもポートごとに「どのVLANとして扱うか」が変わります。

スイッチの動作イメージは次の通りです。

  • 端末から届いたフレームは、その接続ポートの設定によりVLANとして扱われます
  • スイッチは、同一VLAN内の転送を行い、異なるVLANへは基本的にそのまま中継しません

ここで重要なのは、VLANは「分ける」だけで完結せず、必要な場合に限って“別VLAN同士をつなぐ”仕組みが必要になる点です。なお、どの程度分離されるか(転送や到達可否)は実装や設定方針により変わるため、厳密な振る舞いは機器の設定と挙動を前提に確認するのが安全です。

簡単なモデル:同一VLAN内だけが近い

直感的には、VLANは「同じ部屋の中だけで自由に行き来できるが、別の部屋には壁がある」ようなものです。同一VLANに属する端末同士は、同じスイッチ配下なら比較的近い距離で通信できます。一方、別VLANは“別の部屋”になるため、通常はそのままでは直接届きません。

異なるVLAN間で通信をしたい場合は、経路制御(ルーティング)を行う仕組みが必要です。