NATファイアウォールの概要

NATファイアウォールとは、NAT(ネットワークアドレス変換)の機能と、通信を許可・制限する考え方(状態の管理やフィルタリング)を組み合わせた仕組みとして説明されることがあります。NATは主に「IPアドレス(場合によってはポート番号)を書き換えて通信を成立させる」役割を持ち、あわせて「どの通信を次に許すか」を対応関係(状態)として扱うことで、意図しない通信を起こりにくくします。

仕組み:アドレス変換と状態管理

基本の流れは次のように整理できます。 1つ目に、内部ネットワーク(例:プライベート側)から外部へ通信を開始すると、NAT機器は送信元の情報を書き換えます。たとえば、送信元IPをNAT側の外側で使うIPに置き換え、必要ならポート番号も割り当て直します。

2つ目に、NAT機器は「内部のどの端末の、どの通信が、外側のどの宛先に対して、どのポートとして扱われるか」という対応表(セッション情報)を保持します。

3つ目に、その後の通信では、対応表を手がかりにして着信側の情報を内部へ戻す(逆方向の変換)ように処理します。このため、NATの外側から内部へ通信を試みる場合でも、NATが保持する対応表に合致する情報がなければ、成立しにくい挙動になります。

例でイメージする:外向き通信と外向きに“続く”戻り通信

内側の端末が外部サーバへ接続を開始するケースでは、まずNATが内部情報を外向きに合わせて変換し、対応表を作ります。その後、外部サーバから返ってくる通信は、対応表に基づいて「外側で見えている宛先(NATの外側IPや割り当てポート)」に対する戻りとして扱われ、内部端末へ届きます。