過負荷とは何が起きている状態か

ネットワークが過負荷になると、ルータや回線の処理能力に対して流入する通信量が多くなり、キュー(待ち行列)が膨らみます。その結果、パケットが送られるまでの待ち時間が増えて遅延(レイテンシ)が上がり、行き場のないパケットが落ちることで損失(パケットロス)が増えることがあります。体感としては、ページ表示の遅さ、動画のカクつき、通信の途切れ、タイムアウトなどとして現れます。

VPNは過負荷時に何をしているのか

VPNは、端末とVPNサーバの間に「トンネル」を作り、その中で通信を暗号化して送ります。過負荷時には次の2点が関係します。

1つ目は「経路が変わる可能性」です。VPNを使うと、直接の回線だけでなく、VPNサーバまでの経路を経由してデータが運ばれます。もし直接経路では混雑していても、VPN経由の経路が相対的に混んでいなければ、結果として体感が改善することがあります。

2つ目は「追加の負荷が増える可能性」です。暗号化・復号やトンネル処理により、わずかに追加の遅延や処理負担が生じることがあります。過負荷そのものが非常に深刻な場合、経路を変えても効果が限定的になり、逆に不利になる場合もあります。

つまりVPNは「混雑を魔法のように消す」仕組みではなく、状況に応じて有利にも不利にもなり得ます。

期待できること・期待できないこと

期待できる可能性があるのは、主に次のケースです。

  • 過負荷の発生点が「直接経路の特定区間」に偏っており、VPNの経由経路がそれを避けられる
  • 混雑により直通経路での遅延や損失が大きいが、VPN経由では相対的に小さい

一方で、期待しにくいのは次のような状況です。