まず結論:扱う範囲が違います

仮想プライベートネットワーク(VPN)は、端末からインターネットへ向かう通信の経路をまとめて扱う仕組みです。一方でブラウザ拡張機能は、主にブラウザ内で行われる表示や通信の挙動に作用します。このため、プライバシーや安全性を目的にしても、効果が及ぶ範囲と限界がズレます。なお、どちらも“万能”ではなく、目的や設定によって結果が変わる点は注意が必要です。

VPNの基本:端末〜ネットワークの経路を変える

VPNは、端末の通信をVPN経由の経路に切り替えることで、少なくとも「その通信がどこから出ていくように見えるか」に影響を与えます。イメージとしては、あなたの端末から外に出る通信の“入口”をVPN側に寄せる働きです。

この性質から、ブラウザ以外のアプリの通信にも影響し得ます。たとえば、ブラウザ以外の通信(OS上の更新、メッセージング、その他の通信)がある場合、ブラウザ拡張機能よりもVPNの方が対象範囲になりやすい、と考えるのが自然です。

一方で、VPNを使っても「サイトが行う追跡」全般が完全に止まるとは限りません。サイト側はクッキーやブラウザの指紋情報、アカウント情報など、通信経路以外の手がかりを使う場合があります。つまり、VPNで“見え方”が変わっても、サイト側が参照できる情報がゼロになるわけではない、という不確実性(前提の違い)が残ります。

ブラウザ拡張機能の基本:ブラウザ内の挙動を調整する

ブラウザ拡張機能は、対象が主にブラウザの内部にあります。ページを読み込むときの挙動、特定のスクリプトやリクエストの扱い、表示や権限の運用など、ブラウザ上で起きることに対して機能します。