サイト間VPNの定義

サイト間VPN(Site-to-Site VPN)とは、離れた拠点どうしのネットワークを、インターネットなどの共有回線上に暗号化した通信路(トンネル)を作って接続する仕組みです。利用者が個別にクライアントを入れるというより、拠点側のルータやゲートウェイ同士で接続を確立し、拠点ネットワーク間の通信を中継します。目的は主に、通信内容の秘匿や改ざんの抑制、拠点間通信のルートを一貫させることです。

仕組みの簡単なモデル

考え方としては、拠点Aと拠点Bの間に「暗号化された仮想の専用回線」を作り、その上で通常のネットワーク通信(IP通信など)を流します。トンネルの外側ではインターネットを使いますが、内側では暗号化されたデータとして扱われます。その結果、拠点間で「どの通信を相手拠点へ送るか」という設計(どの範囲のネットワーク同士をつなぐか)を明確にすれば、拠点間通信を整理しやすくなります。

構成要素と担当範囲

一般に、サイト間VPNでは次のような役割が登場します。

  • 拠点側ゲートウェイ:VPNのトンネルを張り、暗号化/復号や通信制御を行う場所
  • 相手拠点の指定:どの拠点と、どのアドレス範囲を相互に到達させるか
  • ルーティング(経路制御):VPN経由で届くべき宛先を、必要な範囲で正しく案内する
  • ポリシー:許可する通信の考え方(例:特定のセグメント同士だけ通す、など)

ここで重要なのは、「VPNを張ること」と「通信が届くこと」は別問題になり得る点です。トンネルができていても、ルーティングやアクセス制御が想定どおりでなければ通信は成立しません。

ほかのVPNとの違いと、変わり得る前提

VPNにはいくつか形態があります。 代表例として、サイト間VPNと比べられがちなものにリモートアクセスVPNがあります。