定義:スプリットトンネリングとは

スプリットトンネリングは、端末から出る通信をひとまとめにせず、用途や宛先に応じて「VPN経由で流す通信」と「通常のネットワーク経路のまま流す通信」に振り分ける考え方です。VPNを使う場合でも、すべての通信を同じトンネル経路に固定しないことで、運用上の自由度が増します。

なぜ重要か:セキュリティと利便性の“役割分担”

重要な理由は、保護したい通信と、必ずしも同等の保護を必要としない通信を分けて扱えるためです。たとえば、特定の通信だけを暗号化や経路の保護の対象にし、その他は通常経路に任せることで、次のような効果が期待できます。

  • VPN経由にする通信を絞れれば、帯域や応答性への影響を抑えやすくなる
  • 目的に合った範囲だけを対策でき、無駄な制限を減らせる

ただし、ここでの前提は「振り分けのルールが意図どおりに機能していること」です。スプリットトンネリングは便利さと引き換えに、“守られない通信が存在し得る”設計でもあります。

仕組みをシンプルに捉える:振り分け対象を決める

スプリットトンネリングの要点は、何を基準に振り分けるかです。一般的には、宛先(ドメインやIPなど)や通信の種類、必要性の判断に基づいてルールが決まります。ルールが正しくても、実際の通信がどのルールに該当するかは状況によって変わり得ます。そのため、「どの通信がVPN経由になるのか/ならないのか」を理解し、確認することが重要になります。

違いと限界:スプリットにすると何が変わるか

通常、VPNを利用する際は「すべての通信をVPN経由にする」考え方(いわゆる全経路の固定)と比較されます。スプリットトンネリングでは、VPNを使っているのに一部の通信は通常経路になります。その結果、次のような限界や注意点が生まれます。