ファイル保護の定義
ファイル保護とは、特定のファイルに対する「不正な閲覧」「不正な変更(改ざん)」「意図しない漏えい」を抑えるための仕組み全体を指します。一般に、(1)データを読み取れない形にする(暗号化)、(2)読み取れる相手や操作を制限する(アクセス制御)、(3)内容が変わっていないことを確かめる(整合性の確認)を組み合わせて成立します。どれか一つだけでは、脅威の種類によっては十分になりません。
仕組み:暗号化・アクセス制御・整合性
暗号化は、保存されたファイルや転送中のデータが第三者に理解されにくくするための方法です。アクセス制御は、認証(誰か)と認可(何ができるか)によって、閲覧・編集・削除などの権限を絞ります。整合性の確認は、ファイルが途中で書き換えられていないか、または正しい版かどうかを検出するための考え方です。
ここで重要なのは、「守る対象」と「脅威」を分けて考えることです。たとえば、端末のロックが外れた状態で権限を持つ人が開けてしまえば、暗号化していても保護は弱まります。逆に、ネットワーク上での盗聴が主な懸念なら、転送経路の暗号化や鍵の扱いが効いてきます。つまりファイル保護は、技術だけで完結せず、利用環境・運用とセットです。
制限と例外:何が守れず、何が境界になるか
制限は主に「鍵」「権限」「端末」「運用」に現れます。暗号化を使っていても、鍵の管理が不適切だと(本人以外が鍵にアクセスできる、共有が広すぎる等)保護の効果は下がります。また、権限が適切に絞られていなければ、暗号化の目的(閲覧や編集の遮断)を達成できません。
さらに、整合性確認は万能ではありません。たとえば検証情報が更新されてしまう運用だと、「正しい版かどうか」を十分に保証できないことがあります。保護の境界を左右する要素として、(a)どこで暗号化されるか(保存時か転送時か)、(b)誰が鍵や権限を持つか、(c)端末上での取り扱いがどうなっているか、(d)バックアップや共有の導線がどう設計されているか、を押さえてください。
